キラキラの高校3年生
前回は、5月後半から行われている芸術大学やデザイン大学の卒業制作展について書きましたが、6月に入ると今度はいよいよ高校や中学の卒業式が始まります。特に6月初旬の金曜日に行われる高校の卒業式は、スウェーデン全国それぞれの街にとってビッグイベントと言える行事かもしれません。
スウェーデンの学生は高校を卒業する時、学校の名前と自分の名前が刺繍された白い学生帽をかぶることが許されます。卒業当日の朝、白いワンピースを着た女子学生たちとスーツ姿の男子学生たちは、クラスの中の一人の友人宅に集まりシャンパン朝食を楽しみ、記念として学生帽の内側にお互いの名前を書き合います。
その後みんなで学校へ行って成績表をもらいますが、すべて終わって学生たちが外へ飛び出して来ると、そこには小さい頃の写真が貼られたプラカードを持った親や親戚達が待っていて、子供と共に高校を卒業した喜びを分かち合うのです。
卒業した高校生たちはその後、クラスごとに前もって白樺の枝やライラックの花で飾り垂れ幕が下がったトラックやトラクターの荷台に乗り込み、友達と肩を組み大きな声で歌をうたいながら高校生としての最後のひと時を楽しむのです。
街の中を巡回するトラクターの荷台の上でキラキラとした表情をした若者たちを見ていると、素敵な未来がどうぞ彼らを待っていますようにと心から願いたくなるのです。