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アグネータ・フロックとの不思議な縁

今から30年少し前の私がまだ20代後半だった頃、スウェーデンの手工芸雑誌「ヘムスロイデン」を購読し始め、スウェーデン語が分からないながらも掲載写真を見ながらスウェーデンのデザインに心躍らせていました。その雑誌の中で紹介されていたテキスタイルデザイナーやニットデザイナーの中で、「いつかスウェーデンに行ったら、ぜひ会いたい!」とずっと思っていた人が何人かいました。その中の一人が、テキスタイルデザイナーで切り絵作家でもあったアグネータ・フロックです。

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1995年の秋、スウェーデンに行って何気なく新聞を眺めていたら、アグネータの切り絵展覧会の告知をふと目にしたのです。すぐに「行こう!」と思い立って出掛け、その時に初めて彼女の本物の切り絵作品をじかに見ることが出来たのです。その展覧会をきっかけにアグネータ&パール夫妻と付き合うようになり、気付けば20年が過ぎようとしています。その後、彼女の本や記事を書くようになり、つくづく人との出会いは不思議なものだと思いました。

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アグネータの切り絵はファンタジー溢れる独自の世界を持っていますが、特に素晴らしいと思うのは、切り絵の細部が点と線でつながった一枚の紙で出来ているということです。彼女の織りの作品に関しても、羊毛を紡ぐところから始め、作品のイメージに合わせて毛糸を自分で染め、その毛糸で下絵に従って根気よく織り続けていきます。
先週アグネータを訪ねたこの日は雪降る寒〜い一日でしたが、タイルストーブで暖められたお部屋でアグネータの作品を見ていたら、心の芯まで温かくなりました。

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