ヴァルプルギスの夜祭り
四季の移り変わりは、特に聴覚・嗅覚・視覚で直接感じることが出来ます。春に関して言えば、鳥達のさえずりや空気の香り、そして森や林に白いアネモネ・ネモローサ(和名ヤブイチゲ)や紫のミスミソウ、そして春の代表的な野草の一つでもある黄色いフキタンポポを見つけた時には、「春だ!」と思います。
春が来たと思うのもつかの間、あっという間に冬に逆戻り?!といった感じの日々が続くことがよくあるので、いつから春と言ったらいいのだろうかと悩みます。でも「もう春が来たよ!」と思わせてくれるのが、ヴァルプルギスの夜祭り(Valborgsmässoafton)です。この夜祭りは、スウェーデン全国あちらこちらで行われますが、私が住むヴェステロース市内だけでも今年は28カ所で行われました。
4月30日の夜、やって来た春を歓迎するために焚火を燃やし、合唱団は冬が終わり春が訪れたことを告げる歌を何曲も続けて歌います。春のこのお祭りに集まった町の人々が、コーラスと共に春が来た歌を一緒に口ずさむのを見ると、「ヨカッタ~!やっぱり春が来たんだ。」とホッとするのです。でも4月30日の夜、今まで何度みぞれが降ったことか…。今年はまあまあのお天気でしたが、それでも焚火を囲む人々を見ると殆どの人たちが帽子や手袋をしています。でも明日から5月かと思うと、短い夏が来るのもそう遠いことではないような気がするから不思議です。